徒然夜

孤独にあるのにまかせて、夜にPCと向かい合って、心に浮かんでは消える他愛のない事柄を、とりとめもなく書きつけてみる

独り

 やることも対してないし、45日もあるなんて長すぎるしつまらない。

 夏休みが始まる前、休み中の予定が開始2週間以内に終わる2つの部活の合宿くらいしかなかった私。今思い返すと、これからの日々にこの上ない怠惰を感じていた自分が、何だか懐かしい。

 しかしいざ始まってみると、合宿中に目を怪我して眼科行きになるわ、軽い精神的な症状は出るわ、今後を変える大きな決断はするわ・・・・・・ということで、想像とはかけ離れた、あまりに濃すぎる休みとなった。

 そして、後期初登校日の今日。・・・・・・いつも通り、僕は7時に目を覚ます。そしてのんびりと朝の支度をして、始業時間の8:50。僕はポストから取ってきた新聞を、居間で一人広げている。

 ひっそりと静かに、でも確かに流れていく時間・・・・・・。僕の夏休みは、未だその終わりを告げない。

 

 去年まではどんなに長い夏休みだとしても、それが終わる頃には、もっと休みが欲しかった、もっと遊びたかった、まだどこかへ行きたかったのに・・・・・・などと、まさざまな欲を抱いてその終わりを悲しんだものだ。

 今年だっていつも通りなら、まだピラルクさんに会えていなかったのに、水族館行きたかった・・・・・・などと言って終わりを悲しんでいるはずだ。

 しかし今は、終わりを悲しみなんかしない。それを悲しむこともできない。僕に、夏休みの終わりはしばらく来ないのだから。秋になり、冬が来て、春を迎え、そして再び夏が来ても、僕の休みは終わらない。季節が変わったとて、それは今の、この夏休みの延長に過ぎない。

 終わらないのではなく、終われない。

 

 確かに毎日やることがあって、いつまでにこれをやるという目標があって・・・・・・そういう状態を休みとは言わないかも知れない。

 しかし、僕は何か用事がない限り、毎日家にいて、毎日出ていかないといけないところがない。ニート状態。

 みんながそうなら、何ともない。みんなニート。へえ、そうなんだ、ただそれだけ。

 

 しかしみんなは毎日学校に行っている。そんななか僕だけが、毎日家。どこか行っていいような、属していいような場所があるわけではない。無所属。

 連休が終わり、両親は仕事、姉はバイト、弟は学校で家を出て、僕だけが家。僕は家に、ただ一人。独りぼっち。

 少しの間忘れていた現実が、再び戻って来る。そして本来なら今日から僕も学校だったという事実が、独りをより鮮明に映し出す。

 

 確かにこれは、自分の選択。自分で決めた道。悔いも無ければ後ろめたさもなく、むしろ新たな心持で頑張ろうという前向きださってある。

 しかし、どんなに前を向いても確実に心に残ってしまうのは、独りというこの感じ。

 ぼっちという言葉とは少し違って、寂しいという言葉だけじゃ何か足りない、この感じ。

 

 みんなに、現実に、本来なら歩めたはずの道から取り残されたような、孤独感というか疎外感というか・・・・・・。

 

 人に会いたい。友達に会いたい。

 

 まだ会えなくなって1週間もたっていないのに、心が持たないというか、何だか胸が苦しい。

 傍にいて欲しい。お願いだから、何も邪魔しないよ、ちゃんと大人しくもしているから誰か傍にいて欲しい。お願いだから・・・・・・。

 

 会いに行こうともえば会いに行けるじゃないか。

 だが、現実的な話。定期が切れたらあまり頻繁には会えなくなる。

 そういう感じで、初めはいっぱい会えても、少しするともう本当にあまり会えなくなるから。いつかそうなるのは何か、分かっているから。だからそうなった時の事を考えると、その時の寂しさが強くならないように、今はあまり会いに行くべきではないように思う。あとでつらくなるのは自分だから。

 だが、会いたい。

 だからもう、どうしようもないことなんだと改めて思う。

 

 繰り返すけれど、僕は自分の選択に悔いも無ければ後ろめたさもない。

 ただ、独りというなんとなくのイメージにしだいに実感と感覚がついてきて、叫びたいような、泣きたいような・・・・・・胸が苦しい。

 あと、少なくとも1年以上は夏休みが続くようなものの訳で・・・・・・。

 休みは、周りが何かしらに属す中、無所属の僕だけに来る休みは・・・・・・そんな中でも確かに過ぎる時間の流れと、独りをより色濃く映し出す。

 

 休みよ、僕の夏休みよ・・・・・・お願いだから、もういい加減に終わってくれ・・・・・・。